金融商品の取扱いについて
金融商品を販売する際には、色々な手続きが必要になります。顧客保護の観点から、契約までに○○の説明をして、○○の書面を渡して・・・というような多くの工程を経て契約ができます。これは法律で定められたものや、金融庁の監督指針として法律に基づいて、具体的な手順として決められているものなどがあります。消費者センターへの苦情などをもとに、トラブル回避として色々な規制が追加され、今後も必要とする対応は増えていくと思われます。
そんな中で、長寿社会では高齢者保護に関する対応も増えています。ファイナンシャル・ジェロントロジーについてもニュースに掲載されていましたが、金融老年学という考え方になります。
少子高齢化、長寿化する環境の中で、金融資産をいかに管理・運用していくか、金融機関はどのように対応していくかについての調査・研究が進められています。
仕事でも直面している問題
高齢者の人口が増加するなかで収益を拡大するためには、自然と高齢者を重要マーケットとする方向になっていきます。
以前であれば60歳を過ぎれば高齢者と思っていましたが、80歳を超える顧客も普通になってきました。それほどの高齢者になると、人によってご理解いただけている範囲に大きな差が出てくるのが現状です。
会社を経営されている社長で、年齢を感じさせない十分な対応ができる人もいれば、十分に内容を理解されているか疑う必要のある人もいます。疑ったところで、「あなたは本当に理解できているのですか?」と確認しすぎることは失礼になることもあり、難しい対応になります。
法整備として、未成年者であれば親権者が法定代理人になります。十分な契約行為ができない障害者の人は後見人が代理することになります。しかし、圧倒的に人数が多くなっている高齢者については、正式な代理人が選定されているケースがほとんどありません。多くの場合は、所定の手順を経て、ご理解いただけたこととして契約しているのが実際ではないでしょうか。
85歳を過ぎれば半数は認知症になるとも言われる
会社でも、高齢者専用の取組みが始まっており、高齢者に限って契約時には○○が必要とすることや、電話確認をすることや、専用のパンフレットを作ることなどをしています。野村證券では、3月までに全店で高齢客専門の社員を配置するというニュースが、年明け早々からありました。人生100歳時代になって、保護すべき高齢者が増加することは確実ですので、ファイナンシャル・ジェロントロジーがクローズアップされているのです。
長寿社会といえば幸せなことのように聞こえますが、現実に目を向けると様々なマイナス面も発生してきます。今後の日本社会はそのような課題と向き合って進んでいくことになりますので、人生100歳時代は決して明るいことばかりではありません。
一方で、少子化にともなう18歳人口が減少し、私立大学の4割が定員割れとなっているニュースも掲載されていました。「大学の2018年問題」というものがあり、大幅に大学進学者が減少し、大学は本格的な縮小期に入るそうです。
日々の仕事でも、本当に高齢者の人が多いと感じますが、引き続きこの傾向は拡大していくことになります。そのなかで個人レベルにおいても、そのような社会構造の変化を見越した対応を、本気で考えていくべきではないでしょうか。