金融業界といえば、以前は人と紙で成り立つといわれましたが、今はITの比率が高まっています。従業員が多い業種でもあり、3メガだけで10万人以上もいます。関連するグループ会社を含めると、さらに多くなります。
人口10万人クラスの都市といえば、大都市ではないが中堅クラスの大きさです。メガバンク以外に地銀・信金等を含めるとさらに多くなり、証券や保険を含めると親戚や友達に1人ぐらい金融関係者がいるレベルになるのではないでしょうか。大幅削減は、この規模の人たちに直接関係するニュースです。
金融とITの親和性
銀行には決済以外に融資業務もありますが、融資業務の受付や判断もIT化が進んでいます。しかしIT化には法整備や莫大なシステム投資が必要になるため、メガバンクが先行して取組みしているのが現状です。
フィンテックとは
もともと銀行は、お金が架空のものではなく紙幣や硬貨という「目に見えるモノ」を取り扱う業種であったところ、効率化のために「お金という架空のモノ」に変化させ、大量処理ができるようにしてきました。さらに、お金は電子マネー化がすすみ、仮想通貨も一般化してきました。それら全体を便利にIT化するものがフィンテックで、金融のファイナンスとITのテクノロジーを合わせた言葉です。
ヨドバシに行けば、たくさんのVRゴーグルが販売されているように、重さのある「目に見えるモノ」でなくバーチャル=仮想であれば、遠隔地でもIT技術により、今までとは違った取扱いが可能になります。
その昔、電話は交換手が手動で接続していた時代があったようですが、銀行の窓口業務も同じようなもので、重さのない「目に見えるモノ」は機械に置き換わっていくでしょう。10年先を考えれば今のようなアナログ手続きは少なくなり、確実にネット完結できる領域が拡大していると思います。
金融全般のIT化による影響
金融全般のIT化により、従業員の早期退職者は増加するとともに、IT化できない金融機関は淘汰されるため、合併などをして共同でIT化をすすめることになるでしょう。
金融機関は早期退職者が多い業種ですが、アーリーリタイアする人が増加し、アーリーリタイアした人が地方に移り住んでも、Webで多くの手続きができるようになれば、リタイア後の生活に不自由しなくなるでしょう。ただし金融機関に勤めている社員、特に若い社員はこれから厳しい時代になるとは思います。