いちごのリートとインフラファンドを比較
不動産のいちご株式会社がスポンサーとなる3つのファンドを比較してみました。- いちごオフィスリート投資法人
- いちごホテルリート投資法人
- いちごグリーンインフラ投資法人
- 日経225
過去1年の比較では、インフラファンドが50%ほど上昇し、次いで日経225が10~20%上昇、2つのリートはほぼ横ばいというところです。インフラファンドは2017年8月頃まで横ばいとなっていましたが、そこから急激に上昇してきました。上昇にともない、7%程度あった利回りは5%強に低下しました。
昨年10月に「インフラファンドはどうか」を記載した当時、安心感が増すと規模が小さいため価格上昇する可能性を考えましたが、その通りになっている状況です。
5~6%に低下したインフラファンドはどうか
現時点でのインフラファンドは太陽光発電のみを投資先としており、固定価格買取制度による買取価格が低下しているため、外部成長が見込みにくい特徴があります。固定価格による買取期間も決まっているため、利益超過分配金を支払いながら、長期的にはファンド価値が下がっていくものと理解しています。ヘルスケア系や物流施設系も利益超過分配金を実施する点では同じですが、外部成長が見込みにくいことと、期限が決まっていることについては、長期的なファンド価格を考える上では大きな違いではないかと考えています。買取期間が終了した後のインフラファンドの価値が分からないことが心配です。
インフラファンド側の考え方
現時点での環境をもとに考えた場合、太陽光発電を中心とする再生可能エネルギーは固定価格買取制度による補助がなくては成り立たない仕組みとなっています。従来の発電方法よりも発電コストが高くなるためです。
しかし、半導体の処理能力は倍々ゲームで上昇するとした、ムーアの法則に近い状況が太陽光発電においても生じています。太陽光パネルは数年前とは比較にならないぐらい、性能が向上して価格は低下しています。再生可能エネルギーの拡大は日本だけではなく、世界規模で発生しているためです。
自動車メーカーも、将来の電気自動車がメインなるとした投資競争が行なわれており、現時点の環境だけでは答えが出せない状況にあるように思います。メガソーラを運営している企業は、固定価格買取制度に頼らなくても利益が生まれる仕組みを模索しているでしょうし、10年後に太陽光パネルの性能や価格はどうなっているのか分かりません。日本の家電メーカーが液晶パネルの投資判断を誤ったのは、性能アップと価格のダウンが想定以上に急激であったことと同様でしょう。
当面のスタンス
長期的に見た場合、「インフラファンド、その後」にも記載したとおり、インフラファンドは拡大していく可能性は十分に考えられます。ただ、可能性がどのように実現していくのかが具体的ではないように思っています。ファンドの規模が小さいため、環境変化による価格変動が大きくなりやすく、一時的にファンド価格が下がりリートと比較しても旨みがあるような状況を待つようにしていきます。
インフラファンド系の記載
2017年10月12日:インフラファンドはどうか
2017年11月27日:前回に引き続き、インフラファンドはどうか
2018年1月15日 :インフラファンド、その後