金融機関を監督する金融庁の報告なので、金融サービス面から見た人生100年時代への備えのようで、現状の分析と今後やっていく方針がまとめられた内容と思います。
サラリーマン時代はこの手の金融庁の指針をもとに、どのような対応をしなければならないのか考えたものです。
と言っても、基本は同業他社との横並びであったため、他社との情報交換会などで対応方法を確認しながらすすめるものでしたが・・・。
報告された内容
特に新たな情報はなく簡単に纏めれば、今まで以上に長生きすることになり、今まで以上にお金を持っておく必要がり、自助努力としての資産運用が重要になるというものです。<現役期>
早い時期からの資産形成の有効性を認識する
ライフプラン・マネープランを検討する
信頼できるアドバイザー等を見つけて相談する
<リタイヤ期前後>
退職金をもとにしたライフプラン・マネープランを再検討する
中長期的な資産運用の継続とその後の計画的な取崩しを実行する
<高齢期>
心身の衰えを見据えてマネープランを見直す
自ら行動できなくなった場合の準備をする
内容は簡単なのですが、この手の報告書は金融庁のメンバーとともに、関係する大学教授や関係各方面の代表者などがワーキンググループとして参加して作成されます。
金融機関もオブザーバーとして参加します。
そうして出来上がったものを指針として、金融庁傘下の金融機関は対応をしていくこととなるものです。
金融機関にはどのような対応を準備しているか?などの質問が来るものです。
高齢者への対応は難しい
金融機関側として商売繁盛に繋がるのであれば前のめりになるのですが、高齢者への対応は何かと難しいく繊細な手当てが必要となるものです。
例えば、体が不自由な人への対応をどうするかや、高齢者にも分かりやすい説明や資料の作成が必要となるなどですが、それぞれに大きな労力を要します。
目の不自由な人への対応としては点字で手続きをする準備や、耳の不自由な人への対応としては代読による対応など、サービスを提供する側にとっても難しい対応です。
説明や理解が不十分にならないような対応をしていくことになります。
説明や理解が不十分にならないような対応をしていくことになります。
この手の報告書によって金融機関は今まで以上に高齢者への対応を迫られることになるはずです。
資産運用で良いのか・・
金融庁の報告なので金融サービスがメインとなり、これまでもiDeCoやNISAを準備したりと対応を進めてきたとは思います。
現役期から金融リテラシーを持って自助努力で資産寿命を延ばすことに対しては、金融サービスとしてやるべきことはあるのですが、それでも資産運用はリスクを伴うものなので、リスクをとっても国民は資産運用をするしかないと見えてしまいます。
リスク商品に投資すれば成功して資産が増加する人はいますが、失敗して減らしてしまう人も出てきます。
若いうちから金融リテラシーを持ったとしても、全員の資産運用が上手く行くものではなく、失敗した人達の手当も必要なのだろうと思います。
分かっているが出来ないこと
サラリーマン時代を思い出したのですが、この手の当り前のような報告は、分かっているので問題ない・・・という感覚で何もしなくても良いように思えるのですが、実際に対応するとなればハードルの高いものです。
この分野では国内でも権威と言われる人達がまとめた報告ですので、将来の資産設計を気にされている場合は読んでみると良いと思います。
「高齢社会における資産形成・管理」で検索すれば出てくると思います。