中高年の引きこもりが事件を起こすと、「引きこもり」という言葉とともに「無職」という言葉も出てきます。
もし数年後にRanpaが何かの事件を起こしてニュースで報道されれば、普通に引きこもりの事案として取扱われるのだろうと思います。
社会病理としての引きこもり
このブログで40代は不遇の世代となっていることを記載しましたが、話題になっている引きこもりもこの世代と被ります。
「驚いた、40代前半の収入」に記載の通り、他の世代の収入は増加しているのに、この世代だけは収入が減少しているようです。
逆に、この親の世代となると、働き盛りが高度成長の時代で比較的安定した収入があって年金収入も多いことから、引きこもりが生じやすい環境であろうと思います。
引きこもりとなる事情には色々なものがあると思いますが、日本社会の構造を原因とした社会病理が関係しているのではないでしょうか。
引きこもりと言っても
引きこもりの自立支援をするNPOなどがあり、ひきこもりは救済の対象となっているように思えるのですが、定義が曖昧なように思えます。
厚生労働省は引きこもりを「「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」 時々は買い物などで外出することもあるという場合も「ひきこもり」に含める」と定義しています。
恐らくこの定義に該当する人の中には、救済対象となるべき人もあれば、自発的に引きこもりをしている救済不要の人もいるのではないかと思います。
働く必要がなければ働かなくても良い
もし親にそれなりの資産があって働かなくても良いのであれば、経済合理性に適う引きこもりも存在するはずでしょう。
アーリーリタイアもそうですが、働き盛りの人は働くべき・・・という倫理感を排除して経済合理性を優先すれば、働く必要は無くなります。
働かなければ自ずと家に居る時間は長くなり、引きこもりの定義に該当するようになります。
会話をしたければネット上で出来るので、外出は時々買い物する程度で十分になってきます。
子供がいなければ資産を残す必要も無いので、親の資産で生活出来るのなら働く必要性は無くなります。
ただし多数派の方針には反する
少子高齢化が進み、これからの世代の老後は自助努力が必要となっています。
税金や社会保険料が増加する一方で、70歳定年や年金受給開始となる話も出ています。
将来は厳しくなるので今から準備しておこう・・・という多数派の方針に反し、アーリーリタイアや引きこもりは自助努力を辞めた人達になるのかもしれません。
しかし、親の資産で生活出来るのであれば自助努力は不要で、アーリーリタイアの目指すものに近いものを感じます。
当然、病気など他の選択肢が無く引きこもりとなった人もいるはずですので、安易な解釈は出来ないのですが、引きこもりの中にはアーリーリタイアと同類の人もいるように思えます。
内閣府は中高年の引きこもり数が61万人と発表していますが、救済対象として現状の定義では上手く行かないのではないでしょうか。