金融庁検査とは、金融機関として求められるもの

2018年6月25日月曜日

ソーシャルレンディング

先日、投資しているソーシャルレンディングに関連して「激震、ソーシャルレンディング」を記載しました。

また、仮想通貨で以前に問題となった際に、「コインチェックとソーシャルレンディング」も記載しましたが、不特定多数の人から資産を集めることに対しては、十二分の対応が求められます。

金融機関に長年勤めてきた経験から、考えることを記載します。

結果オーライは無い

20年以上も金融業務に携わってきましたが、恐らく他の業界と比べてマニュアルの多い業種であると思います。

よく、マニュアル通りのことしか出来ないなどと揶揄されますが、金融機関に結果オーライは無いので、マニュアルに沿った手順をすることとなります。

個々の思いつきで仕事をすれば、統制が利かなくなるので、判断できる範囲はマニュアルによって指定されることになります。

マニュアルに無いイレギュラーな対応についても、その場合はどういった部門とどのような協議をして決定するかがマニュアルに記載されており、それ以外の方法をすればルール違反になります。

不特定多数の顧客から資産を預かれば、そのような厳格な対応が必要となることを理解することができます。



金融庁検査とは・・

金融機関は業務が適正に行なわれているか、定期的に金融庁の立入り検査を受けることになります。

検査となれば顧客対応業務を除いて検査対応が最優先になり、新システムや新商品のリリース準備があっても、一旦停止です。

ヒアリングは以下のような感じです。

金:「では、それを確認できる資料、過去○年分を提出してください。」
R:「量が多く手持ちの資料ではないので、取り寄せて纏めることになるので時間がかかると思います。」
金:「分かりました。明日中で大丈夫です。」

オイオイ、分かっていないだろういう突っ込みを入れたいところですが、仕方が無いので対応します。

検査の確認方法

先方は検査官ですので、ごまかしは通用しません。

金:「○○についてはどのような対応をしていますか」
R:「○○の対応をしたと思います」
金:「では、過去○年分の、その対応に関する書面一式と、その手続きについて定めたマニュアルを提出してください。」

というような感じで、適当な回答をしても終わりになりません。

また、マニュアルに無いイレギュラー対応についても、

R:「マニュアルに記載のものではなく、個別の対応をしています」
金:「では、個別の対応を決定するに至った議事録と、個別対応をすべきと規定したマニュアルを提出してください」

という感じで、逃げ場の無い質問が帰ってきます。



業歴の長い金融機関では

以前、「10%もある投資は色々なリスクがつきもの」に、金融機関の作法について記載しましたが、業歴の長い金融機関では顧客保護をするための作法や文化を備えています。

マニュアルに沿った対応についても、そのような作法や文化によるものでしょう。

規模が小さく業歴が浅く、急成長しているところは、恐らくそのような作法や文化が不完全な状態で取扱高が大きくなってしまい、問題が起こりやすくなるように思います。

激震、ソーシャルレンディング」については、どのような対応を求められているのか情報発信されていませんが、恐らく、金融庁検査のような対応を求められているように思います。

キッチリとした説明が出来ているのか、とても気になるところです。

フィデューシャリー・デューティー

金融機関はフィデューシャリー・デューティーという、顧客本位で顧客に有利になるサービスを提供する義務を持つという考え方が広まっています。

株式会社であれば、会社は株主のために利益を出すことを目的としますが、不特定多数の顧客から資産を預かる場合は認可事業として、株主だけのためではなく顧客の利益も考える必要があるということです。

儲かれば良いというものではなく、規定を整備し、フィデューシャリー・デューティーを実践するには、それなりの要員やコストが必要になり、拡大しているソーシャルレンディングや仮想通貨などの業界については、その辺りが心配なところです。

自己紹介

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金融系に勤めるサラリーマンでしたが、早期割増退職金の制度を使って、45歳になった2018年10月末に会社を退職しました。 このブログは退職の1年前から記載を始め、アーリーリタイアを目指すサラリーマンの心境と、アーリーリタイア生活開始後の心境を記載するものです。 家族構成は子供なし、嫁と2人の生活です。
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