ソーシャルレンディング業者への行政処分
過去にソーシャルレンディングで行政処分を受けたのは2社であったと記憶しています。そのうち1社は再発防止をして、今でもソーシャルレンディングのサービスを継続しています。もう1社は実質的にサービス停止していると思います。
今回、さらにもう1社にも行政処分となりそうで、Ranpaも10万円ですが投資をしている業者のため注視しています。
ソーシャルレンディングに関するブログでは、既にこの事案について詳しく記載され、電話確認をした内容も公開しているものがあります。それらを読むと、今回の指摘は、悪意をもって顧客を騙そうとしたものではなく、法令の解釈を誤ったものとい記載が多いように思います。業者側が答えている内容であるため、どこまで信用できるか分かりませんが、それが本当であれば、再発防止をしてサービス継続ができるのかもしれません。
「コインチェックとソーシャルレンディング」でも記載しましたが、他業種から金融サービスに進出する場合、他の業種とは全く異なる金融機関の作法が分からず、結果として顧客に迷惑をかけてしまうことがあるように思います。金融機関は不特定多数の顧客から資産を預かってきた長年の経験と文化があり、顧客の資産を失うことが無いように、2重、3重、4重の対策が施されています。これはシステム的なファイアウォールだけではなく、社内の組織や、チェック体制、規定整備など、多面的なものとなっています。
今回の事案は、そのような金融機関として作法ではなく、言わば一般企業のノリで運営してしまったが、中身はキッチリしているというものであって欲しいと思います。前述した行政処分を受けた2社のうち、復活した1社は証券会社系で、金融の文化を持っているソーシャルレンディング業者です。
ソーシャルレンディング業者の選定
ソーシャルレンディングのリスクとして、①個々の貸付先のリスクと、②ソーシャルレンディング業者のリスクがあることは「ソーシャルレンディングへの投資を始める②投資額」でも記載しました。
直近の行政処分と今回の事案を見ていると、ソーシャルレンディングの本来のリスクとなる①よりも、②の方がリスクが高いよう感じてしまいます。ソーシャルレンディング業者が、財務内容の良くないグループ企業に貸付をするケースでは①=②となり、顧客側には①を隠して資金集めをすることができ、②のソーシャルレンディング業者の信用によるところとなります。
ソーシャルレンディングはその仕組みから、顧客側では貸付先の情報を把握することができないため、ソーシャルレンディング業者が厳格に管理・運営することが大前提です。その点を考えれば、個々の貸付先のリスクよりも業者選定が重要ということになります。
今後について
ソーシャルレンディング業者には、独立系とmaneoグループの違いや、上場企業からの出資の有無、証券会社と提携の有無などの評価軸があります。その他、「コインチェックとソーシャルレンディング」で記載したような、危険な会社のシグナルもあると思います。
慣れてくると利回りの高いサービスに目が行ってしまいますが、今回の事案を踏まえ、そのような評価に、より重点を置いて投資をして行く必要があると感じました。