来年には高年齢者雇用安定法を改正して、70歳まで働くことができる環境を整備する話があるように、将来は60代でもアーリーリタイアということになりそうです。
もしかすると、将来はアーリーリタイアとか定年という考え方が無くなり、古いものになってしまうかもしれませんね。
70歳に延長されそうなこと
発表されている改正案では、70歳定年や65歳以降の再就職支援を努力義務とする内容になっています。
努力義務といっても上場企業は社会的な責任や影響力があるので無視する訳にもいかず、巧妙に飴とムチを使いながら70歳定年制度を利用するかたちで給与の引き下げをしてくるのでしょうね。
「成果主義と退職金の将来について」に記載したことが将来に渡って繰り返され、40代以下の不遇の時代は終わらないと思います。
変化する考え方
先日、トヨタの豊田章男社長は「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と発言しているニュースを見ました。
昔は会社に入れば定年まで働く前提であり、途中で辞めることは良くないイメージがあったと思います。
しかし今では退職代行業がコマーシャルされるように、良い条件があれば退職して再就職することが一般的となり、企業側も中途採用に力を入れるようになり、それは大企業においても浸透している状況です。
定年が70歳になるのであれば、定年という考え方も変化していくのだろうと思います。
定年が無い国
アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなど、定年の無い国は多くなってきました。
採用時に性差や年齢で制限をしないことは浸透してきましたが、定年も同様に年齢による差別という考え方があり、文化レベルの高い国では定年の廃止がすすんでいるようです。
ただし、背景には世界的に平均寿命が延びていることがあり、実態的にも定年廃止は理にかなったものと言えるでしょう。
日本も定年が70歳になれば定年まで働く人が少なくなり、実質的に定年廃止に近いものとなっていくのでしょう。
つまり、アーリーリタイアが増えるということです。
何で定年があるのだろうか
そもそも定年は何故あるのか考えてみると、恐らく企業側はどこかで線引きをしないと解雇しなくてはならず、企業側・従業員側のバランスをとって60歳や65歳で定年とすることを決めた制度であろうと思います。
しかし、それは終身雇用が前提となっており、従業員が長く働き続けるために定年が必要であったと考えられます。
今では長く働いても収入が増えないというか、成果主義要素の強い雇用形態に変化しているので、勤続年数や年齢と収入が比例しないようになりつつあります。
また、雇用の多様化も進み、色々な職種の人が色々な年齢で働いています。
そのような背景であれば、企業側から解雇する必要性はなくなるので定年も要らなくなるのではないかと思えます。
成果主義の場合、年を取って成果を出すことが出来なければ収入が下がり、実質低な解雇となるからです。
今から考えるべきこと
同じように考えると、アーリーリタイアも60歳ぐらいに定年がある前提で成り立つもので、定年が無かったり70歳定年などになれば、殆どの人がアーリーリタイアになってしまいます。
何となく今までは、定年となる60歳や65歳までサラリーマンを続けることをイメージしてきたと思いますが、将来的に退職時期は自分で決めるようになるのでしょう。
定年退職であれば必然的に退職時期が決まるのですが、定年が無くなりつつあるなかで、いつまで働くのかや、いつ辞めるのか、辞めてから何をするのか・・・などを考えておく必要がありそうです。
それは10年後ではなく、今から考えておくのが良いのではないでしょうか。