入社時や働いている時は考えることが少ない退職金ですが、社会保険料が控除されず税金も優遇される退職金は大きなインパクトを与えるものです。
しかし退職金は時代とともに減少傾向にあり、実際にRanpaの勤めていた会社も在職中に退職金制度は変更されています。
不遇と言われる40代サラリーマンの退職金について考えてみます。
参考ブログ:退職金の明細が到着し、改めてアーリーリタイアを考える
平均で1,000万円以上少なくなっている
先日、退職金が大きく下がっているというニュースを見ました。
大卒の定年退職者(勤続20年以上かつ45歳以上)の退職金の平均額は、1997年には2,871万円もあったのですがその後は下がり続け、2017年には1,788万円と20年間で1,000万円以上も下がっているそうです。
この数値は退職金をもらった人の平均額であり、退職金をもらわなかった人は含めておらず、退職金が支給されない会社が増えていることを考慮すれば、実際はもっと悪化しているのであろうと思います。
日本の年齢構成として若い人の比率が高かった高度成長の時代、退職金は年功序列の最終的な対価であって、長く働けば収入も退職金も増加するというものでした。
その後、企業側はあの手この手で退職金を減らしてきたので、このような結果になりました。
本来、退職金は従業員の権利であって勝手に不利益変更することは出来ないものですが、頑張れば今までよりも多くもらえる成果主義に変更する・・・などと企業側は良いことを並べてアピールし、全体の退職金額を下げてきました。
従業員側もそれは分かっているのですが、無い袖は振れないことも分かっているので、不利益変更に合意するかたちで悪化してきたと思います。
その積み重ねにより20年で1,000万円以上も減少したのですが、もらえるお金が1,000万円以上も少なくなるというのは小さいことではありません。
ただ、よく考えなくてはならないことは、過去のことではなく将来も同じだということだと思います。
長く働けば得する制度が無くなることによって
退職金制度が変更されるよくあるパターンとして、長く働けばみんなが得をする年功要素の強いものから、成果主義という一部の人だけ得をしてその他の人は損をするもへと変更されます。年功要素の強い退職金は、後になるほと急増するカーブを描きます。
しかし変更後、現時点では少し良くなりますが、後になっても急増しなくなります。
実際にRanpaの勤めていた会社もこのような制度変更があって、一部は401kタイプの退職金制度に変わりました。
ただし、アーリーリタイアを考えた場合はメリットもあると感じました。
従来の退職金制度は中途退職をすると大きなペナルティーが与えられ、定年退職と中途退職とでは退職金額には大きな差がありました。
しかし、年功要素の弱い退職金制度に移行してからは、中途退職のペナルティーが無くなり、退職金におけるアーリーリタイアのデメリットは小さくなったものです。
定年延長と退職金の関係
もともと退職金は退職後の生活資金としての位置づけでしたが、年金制度の問題が関係した定年延長によりその位置づけが変化しています。
昔は55歳が定年でしたが、60歳になり、今では65歳、今後も延長されていく可能性が高いようです。
当然、長く働くのであれば退職後の生活資金となる退職金は少なくても良いことになり、年金の支給は遅くても良いことになります。
恐らく、近い未来の将来像はそのような姿になっているのだろうと思います。
そのような時代では、アーリーリタイアの準備が出来た人から会社を抜け出すことになり、そうではない人は驚くほど長く働くことになるように気がするのです。
年功主義から成果主義になり、給与や退職金において中途退職のデメリットが小さくなってアーリーリタイアしやすい環境になっているのですが、無計画に浪費をしつづけていれば、退職金や年金も少なくなってしまい、長く働かなければならなくなる・・・。
退職金のニュースを見て、そんな気がしたものです。