Ranpaの会社には、正確には早期退職優遇制度という名のものはなく、定年退職前で一定条件にあてはまれば、退職金が割増されるという退職金規定になります。
時代の流れとしては、早期退職優遇制度と、定年延長制度が平行して進められており、65歳定年の義務化や、公務員の65歳定年化が話題になっています。
公的年金の支給開始が65歳となるため、65歳まで働きたいという人が多いことが背景にあります。
Ranpaには65歳まで働くことは想像もできませんが・・・。
Ranpaの勤める会社の動きや、定年延長に関する情報を見ていると、企業は定年延長というアメと、早期退職優遇制度のムチを、うまく使い分けているように見えます。
定年延長と役職定年おアメとムチ
「高齢化社会に対応して65歳まで働ける環境を整備します。定年延長しても若い世代が重要な役職に就くことができるように、役職定年制度を導入します。」
なんとなく響きは良いですが、結局のところ・・・。
「若い人材の採用が抑制されて、逆三角形となった年齢構成を調整し、会社全体の人件費の増加を抑制するために、50代の役職を剥奪する代わりに65歳まで雇います。
待遇が悪くなるのが嫌なら、早期退職優遇制度を使って辞めてもらっても良いですよ。」
というのが実際のところです。
会社も競争社会の中で生き抜くためには、あらゆる手当てをしていく必要があり、間違った方向とは思いません。
早期退職優遇制度による退職金の割増率
人事院が平成23年の民間企業退職給付調査で、割増率がまとめられています。
調査全体としては、
45歳で80.6%、50歳で56.1%、55歳で35.2%です。
1,000人以上の会社では、
45歳で94.4%、50歳で77.8%、55歳で46.4%です。
500~999人の会社では、
45歳で113.1%、50歳で68.0%、55歳で43.2%です。
100~499人の会社では、
45歳で67.6%、50歳で47.3%、55歳で32.9%です。
50~99人の会社では、
45歳で45.1%、50歳で41.4%、55歳で23.4%です。
割増率だけに目を向けると、45歳が全般的に高くなっています。
特に500~999人の会社では、45歳から55歳にかけて、45%も下がってしまうようです。
これでは45歳に退職する人が多くなりそうです
アーリーリタイアする40代と50代の違い
早期退職優遇制度による割増額は、45歳から減少傾向ですが、元となる退職金額は勤続年数に比例して増加するため、45歳以降は割増額との総額では、受取額は増加しにくくなると考えるのが正しいでしょう。
一般的に退職金は、定年退職が有利で、勤続年数が短ければ不利となるため、早期退職優遇制度の割増額によって、その差は縮まります。
つまり、会社は定年前に退職する不利を補う制度として、早期退職優遇制度を利用していると言えます。
結局のところ、早期退職優遇制度の適用ができれば、定年前に退職する不利が小さくなるため、退職後の資産を用意することができれば、大きく変わらないことになるのではないでしょうか。