当然、家族がいれば相続されるため問題ありませんが、ブログを見ていると、アーリーリタイアは独身の人や夫婦2人で子供がいない人が多いように思います。子供がいると教育費が必要ですし、なかなかアーリーリタイアできない環境でしょう。
未婚率とアーリーリタイアの関係
内閣府が生涯未婚率のデータを公表しています。昭和40年代まで1~2%でしたが、平成になってから急上昇し、男性は5人に1人、女性は10人に1人になっています。なぜか分かりませんが、平成になる直前までの未婚率は女性が高く、それ以降は男性が逆転して高くなっています。
今後も未婚率は増加していくようですので、アーリーリタイアを考える人は増加することになりそうです。
少子化とアーリーリタイアの関係
内閣府は合計特殊出生率のデータを公表しています。2016年は1.44です。2であれば人口は横ばいに推移しますが、下回ると人口減少してしまいます。第一次ベビーブームと呼ばれる昭和24年には4.32でしたが、第二次ベビーブームの昭和48年でも2.14となり、その後は2を下回る状況が続いています。
少子化は、家族や親戚が少なくなることを意味します。アーリーリタイアした後に助け合う家族や親戚が少なくなるとともに、保有資産を相続する人も少なくなっています。
独居老人の増加とアーリーリタイアの関係
東京都が調査した、孤独死された65歳以上の人数が公表されています。23区内では2002年に1364人でしたが、右肩上がりに増加し、2014年には2,885人まで倍増しています。今後、高齢者の絶対数が増加するだけではなく、未婚率が上昇し、少子化により親族が少なくなっていきます。高齢単身世帯が増加して、孤独死するケースも増加していくことが考えられます。
孤独死した老人の通帳には、老後のために準備した資産の大半が、使うことなく残されていたというケースも多くなりそうです。
孤独死とアーリーリタイアの関係
高齢社会白書によれば、高齢者の単身世帯は600万人もいると報告されています。
民法959条には、相続人がいない場合の財産は「国庫に帰属する。」と定められ、孤独死した老人の資産は、国のものになるということです。
いきなり国が没収するものではなく、債権者がいないか、相続人がいなか、特別縁故者がいないかなどを調べる工程を経てからになります。
自分の親が子供のために残してくれた財産や、自分が老後のために貯めた財産が、自分で使うことなく国のものになる・・・。これはある意味、幸せなことかもしれませんが、悲しいことでもあります。リタイア後の資産は多いに越したことは無いですが、使えなかった場合は国のものになることも考えて、調整することが肝心ですね。