なんとなく理解しているGDPとは
「国内で一定期間に生産されたモノやサービスの付加価値の合計」とは聞きますが、要約すると国内で活動した「もうけ」の合計額です。三面等価の考え方など、詳しく踏み込めばややこしくなりますが、名目GDPの世界ランキングでは日本は米国・中国に続き3位です。中国は人口の多い国ですが、日本も世界的には上位にランクされる人口の多い国で、1人あたりのGDPでは26位になってしまいます。(2016年IMF情報)
GDPのランキングはドル建ての評価でしているため、円安になれば悪化しますが、それを考慮しても、他の先進国と比較して劣後しているのが実態です。
円換算の名目GDPを遡ってみると、1990年代からずっと停滞しており、500~530兆円の間です。2010年以降を切り離してみると、右肩上がりに増加しているように見えますが、リーマンショックから回復し、リーマンショック前の水準をやっと取り戻したにすぎません。
かつて日本は1990年代には、1人あたりのGDPでも世界3位にランクしたのに、右肩下がりで26位にダウンしています。日本のサラリーマンは日々努力をして生産性を向上させているのに、どんどん世界の先進国に遅れている状況です。
有効求人倍率はバブル期並みとか聞くけど
完全失業率は0%になることはなく、就職したけど自分に合っていないなどにより求職活動している人が3%程度いるため、現在の3%程度の数値はバブル期並みと言われます。
完全失業率だけで判断すると、日本は良い方向に向かっているように見えますが、生活のために給料が安くても、非正規雇用として就業している人は失業率には含まれません。今の日本では、失業はしていないが不本意ながら不安定かつ低賃金で働いている人が多いのが実情ではないでしょうか。
また、日本は人口の3分の1が高齢者ですが、年金生活している人も失業者には含まれまれないので、働いていない高齢者が増加しても有効求人倍率は悪化しません。
頑張っているのに悪化するのはなぜか
サラリーマンは生産性を向上させるために頑張っており、過去最高益を更新する会社も多くなってきました。しかし、3分の1が高齢者で働いていない状況にあれば、日本全体としては良くなりません。サラリーマンは働いていない高齢者の分まで働く必要があるのです。
「増税ニュース、基礎控除・給与所得控除の変更を検討している」でも記載しましたが、サラリーマンが頑張って昇格し年収を増加させても、手取額がそれほと増えなくなり、会社で先輩になっても収入が増えない悲しい状況になりつつあります。
むしろ労働者の人口が減少し、日本全体の人口も減少しているのに、高齢者の増加により、社会保障費が増加する見込みです。
「増税ニュース、基礎控除・給与所得控除の変更を検討している」でも記載しましたが、サラリーマンが頑張って昇格し年収を増加させても、手取額がそれほと増えなくなり、会社で先輩になっても収入が増えない悲しい状況になりつつあります。
むしろ労働者の人口が減少し、日本全体の人口も減少しているのに、高齢者の増加により、社会保障費が増加する見込みです。
1人あたりのGDPを増加させることはできるのか
アベノミクスで景気が良くなり株価が上昇したとは聞きますが、現状のままではサラリーマンはいくら頑張っても、手取額がそれほと増えない状況は変わらないと思います。移民を大量に受入れて国内で働いてもらうか、おばすて山をつくるのか・・・。どちらも不可能でしょうから、ネガティブな話になってしまいますが、みんなで乗ったドロ舟から、個人の能力で抜け出すための準備をする以外に選択肢は無いように思います。