Ranpaも、家計簿アプリで今の生活費を調べてリタイア後の生活費を計算しましたが、生活環境が変わる未来のことは何度試算しても心配になります。
そこで総務省による家計調査からリタイア後の生活費を考えてみました。
家計調査とは
家計調査とは総務省が一部の世帯にアンケート形式で生活費等を質問し、国民の支出について把握するものです。全世帯の調査は難しいので、モニタリング調査により全体を推測するもので、TVの視聴率調査に似ています。
といっても9千世帯を調査しているので、それなりに労力をかけて国民の生の声を聞いているものです。ただし、アンケート形式であるため必ず実態どおりとも言えません。
高齢夫婦無職世帯の家計収支
調査結果の中に、高齢夫婦無職世帯の家計収支という分類があります。一般的には退職して年金生活をしている人達で、リタイア後の生活はこのカテゴリーを見ていけば家計収支の想像ができると思います。
平成16年の高齢夫婦無職世帯の調査結果は以下となります。
支出の合計は267,546円/月です。思っていたより多いように感じます。
- 消費支出(税金・社会保険料を除いた支出):237,691円/月
- 非消費支出(税金・社会保険料の支出):29,855円/月
消費支出の主な内訳は以下となります。
1日分の食費2,161円想定範囲ですが、住居費用は安いように感じます。高齢者の持ち家率は高いようですが、地方では殆どが持ち家ということでしょうか。
- 食費:64,827円/月
- 交際費:29,033/月
- 教養娯楽: 26,303/月
- 交通・通信:25,256/月
- 光熱・水道:18,851/月
- 住居: 14,700/月
リタイア後に想定している生活費
Ranpaは20万円/月を想定しています。その額とした経緯は「退職後の生活費を試算してみた」や「リタイア後の生活費の見積もりは、何度も試算しないと安心できない」に記載したもので、それなりに根拠付けをしたものです。
しかし、家計調査の数値と比較すれば、月に7万円程度少ないことになります。さきほどの主な費用との差額は以下となります。
- 食費:±0/月
- 交際費:+29,033/月
- 教養娯楽: +26,303/月
- 交通・通信:+10,056/月
- 光熱・水道:-2,149/月
- 住居: +14,700/月
プラスはRanpaの見込みよりの家計調査の結果の方が多く支出しているもので、マイナスはRanpaの見込みより家計調査の結果の方が少ないものです。
雑費のような出費はそれなりに発生しますが、Ranpaは交際費と教養娯楽はゼロカウントしています。この2つの費用で差額は5万5千円になります。通信費も1万円程度の差額があります。
無職高齢者は意外に教養や娯楽に支出しており、交友関係が広いので交際費や通信費が高くなっているということでしょうか。この3費目で6万5千円の差額となっています。
上記以外の小額費用ですが、家具や被服に関する支出は家計調査では1万5千円程度/月となっており、Ranpa家では毎月それほど支出することがないと思います。そう考えれば、全体差額の7万円は埋められるのではないでしょうか。
参考に勤労世帯の収支を見ると
家計調査での二人以上の世帯のうち勤労者世帯の家計収支という分類があり、そのカテゴリーの支出合計は407,867円/月です。こちらも、思っていたより多いように感じます。
- 消費支出(税金・社会保険料を除いた支出):309,591円/月
- 非消費支出(税金・社会保険料の支出):98,276円/月
Ranpaの今の生活費は23万円程度ですので、家計調査の数値はRanpa家の生活水準よりもかなり高いことになります。高齢無職世帯の支出も多いと思いましたが、勤労世帯の支出も同じように多いと思います。
結論として
家計調査の数値27万弱をベースに考えれば、Ranpaの想定しているリタイア後の生活費20万円では心もとなく感じます。しかし、勤労世帯の数値が、実際の今の生活費よりも大幅に多いようですので、ベースとなる生活費が異なると考えれば、それほど問題ないのではないかと整理しています。
リタイアすれば分かることですが、リタイアしてみないと分からないのが退職後の生活費の特徴で、「リタイア後の生活費の見積もりは、何度も試算しないと安心できない」に記載したとおり、何度も試算して想定外にならないようにしたいものです。