75歳からの年金支給開始や、75歳定年化などの議論の際にはこのようなリサーチ結果が出てきます。
しかし、少しでも早くアーリーリタイアをしたいという人の割合もそれなりにいるはずです。
アーリーリタイアが増加しない理由について考えました。
色々な理由はあると思いますが・・・
定年が近くなれば、早期割増退職金と定年まで働いた場合の給与収入を比較することが出来るので、早期退職を選ぶ人が多くなってきます。
しかし50代前半や40代でのアーリーリタイアは少なく、45歳でアーリーリタイアしたRanpaも肩身の狭い思いをしています。
「高齢でもバリバリ働く人の心境を知るため、資産家や政治家の年齢を調査」に記載したように、お金があっても働き続ける人は確かに多く、働くことを義務と感じる人や、働く以外にすることが無いと思っている人など、お金以外の理由で働き続ける人もそれなりにいるようです。
とは言え、アーリーリタイアをしたいと考えている人が実行できない最大の理由はお金の問題であろうと思います。
お金の問題は3種類に分類されると考えます。
- 純粋に資産が少ない
- アーリーリタイア出来る資産があるのに気付いていない
- アーリーリタイア出来る資産があっても不安なので働いている
1についてはアーリーリタイアすることが出来ないので論外ですが、意外に2と3によって働き続ける人は多いものです。
若い人は1が多く、年齢が高くなるにつれて2や3が増えると思います。
資産があってもリタイアする人が増えない理由
誰でも老後は不安なもので人生100年時代などと聞けば、お金はいくらあっても足りない・・・と感じます。何歳まで生きることが出来るのか分からないので、必要とするリタイア資産に明確な基準がなく、答えが出ないから消去法として働くことを選択します。
もし必要とするリタイア資産が明確なものとなり、これだけあれば大丈夫・・・というようなものがあれば、もっとアーリーリタイアする人が出てくるはずです。
必要とする老後資金が分からないことが、2と3を発生させてしまう理由です。
このような状況の背景には、年金制度への不安と低金利が影響していると考えます。
安心できる年金制度であれば
多くの人は公的年金を信じられず、自分で働いて老後資産をつくる必要があると考えています。
公的年金は生きている限り支給される終身年金なので、公的年金が正しく機能すれば長生きする心配はいらないはずです。
個別に見れば長生きする人も早死にする人もいるのですが、平均して見れば予測可能となり終身年金が成り立つのですが、これによって長生きするリスクをヘッジすることが出来るのです。
本来は人生100年時代になっても公的年金によって安心したリタイア生活が出来たはずですが、それが機能していないので必要以上に働き続けることになります。
ゴールが見えずに働き続けなければならない理由の1つは、信頼できない年金制度にあると考えます。
全く公的年金を信用していない人でも、年金保険料は給料から自動的に引かれ、その人達の足を引っ張ります。
低金利時代の弊害
また、終身年金は民間のものもあります。
しかし、マイナス金利となって販売しても儲からない終身年金を、金融機関は殆ど販売しなくなりました。
金利の高い時代は退職金の受け皿として積極的に販売していたのですが、今では私的年金も十分ではないことがアーリーリタイアをしにくくさせています。
もともと金融機関は、不特定多数のお客さんからお金を集めて運用することで収益を得る業種でした。
マイナス金利時代となって運用によって収益を出せないので、多くの金融機関では手数料ビジネスに力を入れています。
複雑な投資信託や掛け捨ての保険は手数料率が高いので、金融機関の貴重な収入源になっているのですが、10年後に6割の地銀は赤字になるというニュースも報道されているように金融機関は機能不全に陥っていると思います。
金融機関は年金のためにお金を預かって運用すことに興味を持たなくなったのです。
金融機関は年金のためにお金を預かって運用すことに興味を持たなくなったのです。
公的年金を信じない人が多くいて、その受け皿となるはずの民間の終身年金も、金融機関側の事情により販売されない状況になっています。
終身年金がないので・・・
公的・私的の両方において終身年金が不十分なので安心してリタイアすることが出来なくなっている・・・・というのがRanpaの見方です。
ただし、公的年金も恐らく0になりはしないと思っています。
このような環境でアーリーリタイアを目指す場合は、過信しない程度に公的年金のことを理解して利用することとし、不足と思える部分を何らかの方法で手当てするのが近道です。
Ranpaもそのような考え方でアーリーリタイアの計画を立てています。
信頼することが出来ない公的年金と低金利によって、老後のリスクコントロールをする術が無くなり、真正面からリスクを受け止めているのが現状社会だと思います。
信頼することが出来ない公的年金と低金利によって、老後のリスクコントロールをする術が無くなり、真正面からリスクを受け止めているのが現状社会だと思います。