リタイアして地方に来るとタクシーそのものを見なくなるのですが、もし利用して運転手の方が91歳であれば驚くと思います。
しかし人生100年時代になれば、このようなニュースも多くなるのでしょうか。
長く働ける環境をつくる風潮
定年延長などによって長く働ける環境を整備していくことが正しい風潮になっているように感じます。
アーリーリタイアとは真逆の考え方ですが、それも1つの考え方だろうとは思います。
少しでも早くアーリーリタイアをしたいと考えている人ばかりではなく、定年退職をゴールとして頑張る人や、ずっと働いていたいと思っている人も実際のところ多いはずです。
長く働ける環境の整備は受け入れられているようですので、高齢化社会においてはさらに浸透していくのでしょう。
街中でも働く人が高齢者ばかりであることが普通となり、タクシーに乗って運転手の方が91歳であっても普通となる時が来るのかもしれません。
アーリーリタイアのハードルは高まる
昔は55歳定年であったようですが、45歳でアーリーリタイアしても定年の10年前です。
今は65歳定年が増えているので、同じ10年前であれば55歳となりますが、55歳で退職するのはそれほど珍しくないように思えます。
しかし65歳定年であるのに45歳で退職となれば、アーリーリタイアとして珍しい退職方法になってしまいます。
定年が延びるほど45歳の退職が若く感じることになり、それだけアーリーリタイアするハードルが高くなるはずです。
周囲の人が75歳まで働く気構えでやっているのに、その20年も前にリタイアするというのですから、その差は大きく感じます。
ゴールの無い環境
「普通は定年まで働くけれど、自分はもう少し早く辞めても問題ない・・・」というのがアーリーリタイアの基本的な考え方だと思います。
しかし生涯現役に近い社会が実現すれば、この考え方は違ってくるはずです。
会社が勝手に決めた定年をもとに辞める時期を調整するのではなく、何歳まで働くかという自分自身のロードマップをもとに退職することになります。
定年延長や生涯現役の社会に近づくことは、以前よりも計画的に将来設計をしておく必要があることとなり、それがなければダラダラと働き続けてしまいやすいものだと思います。
高齢者免許の自主返納も以前は他人事でしたが、今では多くの人に関係することになっているのと同じことです。
<参考ブログ>
生涯現役が生むモラルハザード
長く働ける環境の整備は正しいように感じますが、究極的には、老後の備えに悩まなくても働けば何とかなる社会が出来るとも言えます。
信頼出来ない社会保障や少子高齢化による働き手不足など、将来に不安があるので今を頑張って働く人が多いはずです。
それらの不安が働く意欲になって、結果として競争力を高めている部分があるように思えます。
しかし、長く働ける環境を整備することによって、不安から来る意欲が薄れることにならないのでしょうか。
何歳になっても働けば何とかなるという考え方が浸透し、働けなくなったら生活保護を受給するようなモラルハザートにならないのでしょうか。
恐らく今後、アーリーリタイアを決断する環境は変化していくはずで、何歳まで働くかという自分自身のロードマップを考えておくことが今よりももっと重要になると思います。