金融庁の2,000万円不足問題に関して②

2019年6月17日月曜日

退職ニュース

金融庁の2,000万円不足問題に関して」ブログの反響が大きかったので、続きを記載します。

問題となった金融庁の報告書「高齢社会における資産形成・管理」ですが、「金融庁の2,000万円不足問題に関して」にも記載の通り、今ある課題に対して金融庁が担当する金融サービスとして何をしていくべきかを纏めたものです。

2,000万円は間違っているのか

老後に必要な資産はいくら・・・・これは普通の人が知りたいことです。

その答えとしては、個々の事情によるというのが正解で、人それぞれ違ってきます。

例えば、金融資産を多く持っていれば利息・配当による収入が得られるでしょうし、持ち家であれば家賃を支払う必要は無いでしょうし、サラリーマン時代に高収入で厚生年金保険料を多く支払っていれば年金額は多くなるなど、個別の事情に左右されます。

そのためファイナンシャルプランナーなどに試算をしてもらうことになります。

正しい金額は試算してみないと分からないが、平均的な金額として2,000万円ぐらいが不足するというのはファイナンシャルプランナーも普通に話してきたもので、全く違和感を感じないものです。

2,000万円の根拠

金融庁の報告書では以下の計算により2,000万円を計算しています。

2017年の家計調査に基づけば、高齢夫婦無職世帯の毎月の収入は20.9万円で、支出は26.4万円となるため、5.5万円の赤字となる。

1/4の人が95歳まで生きるので、30年間の赤字合計では2,000万円になるというものです。

月にー5.5万円×30年≒ー2,000万円

人それぞれ異なる必要額を、平均的な数値をもとに計算したもので、一般的な手法です。


平均的な数値による計算を否定されたら

もし平均的な数値をもとに試算したものが誤りとなれば、ファイナンシャルプランナーは平均的な数値をもとにした説明は出来なくなるでしょう。

金融機関は保険や年金などの金融商品を販売する際、将来に必要となる金額の試算をします。

ただし、個々の事情を取り込めば大掛かりになるので、一般的なケースとして平均的な数値を使用することがあります。

例えば子供の学費を考えた場合でも、大学に行くのか、理系なのか文系なのか、国立なのか私立なのか、通うのか下宿するのか・・・など、現時点では分からないことが多いので平均的な数値を使って試算していきます。

2,000万円の不足を初めて聞いたような話もあるが

2,000万円の不足に対して怒りの声も多いようですが、国民年金を40年間支払った場合は現時点で780,100円の年金額になっています。

月にすると65,000円ですが、そもそもこれだけで生活することは出来ません。

今の国民年金保険料は16,410円ですが、仮にこれを40年間支払った場合は約780万円になります。

一方、少ないように感じる780,100円の年金額ですが、30年もらい続ければ約2,340万円となります。

780万円支払って2,340万円ももらえる年金であれば、怒りではなく有難いと感じます。

本当の問題は現状でも不足する2,000万円ではなく、将来もこの水準を維持していくことが出来るかどうかなのです。

少子高齢化と長寿化により、不足する2,000万円が2,500万円、3,000万円と増加していかないかが問題です。

知らないと損しますよ

以前「早期退職するサラリーマンの注意事項」に、規則や制度を知り、請求することによってもらえるお金があることを記載しました。

今回2,000万円の不足を知って驚かれた人が本当にいたとすれば、逆に良かったのではないかと思います。

年金保険料を支払っているだけで老後は安心・・・と思っていたことになりますので、今からであればまだ間に合うかもしれません。

逆に2,000万円の不足を否定してしまえば、知らなくて損する人が増えるだけではないでしょうか。

自己紹介

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金融系に勤めるサラリーマンでしたが、早期割増退職金の制度を使って、45歳になった2018年10月末に会社を退職しました。 このブログは退職の1年前から記載を始め、アーリーリタイアを目指すサラリーマンの心境と、アーリーリタイア生活開始後の心境を記載するものです。 家族構成は子供なし、嫁と2人の生活です。
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