高齢化が進む日本では様々な対応に関して政府もこの言葉を使用していますが、人生100歳時代とはどのようなもので、準備しておくべきことが無いのか考えてみます。
アーリーリタイアして平日に活動をすようになると、周囲は高齢者ばかりになっていることに気付きます。
お客さんだけではなく、店員の方まで高齢者が多くなっています。
ただ、人生100歳時代を考えてみると、その人達はまだまだ若手で働き盛りなのかもしれません。
平均寿命と平均余命の違い
厚生労働省が発表している平成29年簡易生命表によると、平均寿命は男性が81.9歳、女性が87.26歳となっています。
それぞれ平成に入った頃と比べれば5歳ぐらい延びていますので、そこに該当する高齢者の人口は増加したことになります。
平均寿命は時間とともに少しずつ延びているのですが、まだまだ100歳には届きません。
これは平均寿命と平均余命の違いによるものだと思います。
例えば男性の平均寿命は81.9歳なので、80歳の男性は平均的に2年ぐらいで亡くなるかといえば、そうではなく8.92年となります。
若く亡くなられた人がいれば全体の平均を押し下げてしまうので、平均値による実態把握を難しくしています。
因みに、80歳の男性の平均余命は8.92年、女性は11.82年なので、80歳の人は平均でも90歳ぐらいまで生きることになります。
平均の特性
さらに平均は真ん中ぐらいの数値になるので、80歳の人は平均で90歳ぐらいまで生きることであって、90歳を超える人も半分ぐらいいることになるでしょう。人生100歳時代で殆どが100歳まで生きると考えるのは極端ですが、割と現実的な数値ではあろうと思えます。
自分が100歳まで生きることは何となく夢の世界のようで、宝くじに当たることと同類のような感じ方をしてしまいますが、宝くじのように確率的にほぼ当たらないものとは違い、100歳は当たる可能性の非常に高いものとして受け止めるべきでしょう。
参考ブログ:リタイアした後の想定は何歳までとするか?生活費や貯金は?
平均値ではなく中央値や最頻値
平均年収が発表される時、いつも高めに感じてしまうのは一部の高額所得者が全体を押し上げてしまうことが理由ですが、実態把握しやすい中央値や最頻値を使ってくれないものかと思うことがあります。恐らくそれは平均値の方が少ないデータで算出することが出来るので簡単だからだろうと思います。
総額と人数さえあれば平均値は出せますが、中央値や最頻値になると内訳の情報まで必要となるのであまり出てこないのでしょう。
しかし、将来設計において重要な数値である寿命については、平均だけではなく中央値や最頻値を公開して、実態をもっと広く理解してもらうべきではないかと思います。
何歳まで生きるかは永遠の課題
以前「長生きリスクを考慮した老後の必要資金について考える」に長生きリスクについて記載しましたが、何歳まで生きるかは永遠の課題であろうと思っています。老後の備えをする目標が定まらず、このような平均寿命に頼っているのが実情です。
平均寿命よりも長生きするのが普通なので、平均寿命をベースに老後の備えをしている人は老後の生活に困ることになるでしょう。
何歳まで長生きしても給付を受けることができる国民年金は、長生きリスクの備えとして最も適していると思うのですが、制度に不安があるので十分な手当になっていません。
その点において利殖はリスクもありますが、時間に比例して収入を得ることが出来るので、長生きリスクに備えるもうひとつの方法と思います。
利殖は単に資産を増やすという観点だけではなく、寿命に比例して収入を得ることが出来るという観点です。
100歳まで長生きする前提でのアーリーリタイアは、とてもハードルの高いものとなってしまいますが、100歳は十分に起こりうる可能性として考えておくべきだと思います。