年金不安とアーリーリタイアの関係

2019年9月12日木曜日

退職ニュース

先日「平均寿命よりも長生きする人生100歳時代」に、平均寿命よりも長生きすることが普通になっていることを記載しました。

一方で、普通の人は老後の資金がいくら必要か分からないままリタイア生活に入っていると思います。

本来、この問題を解決するのが公的年金制度であったはずですが、頼りにならないために場当たり的な生活を強いられています。

例えば、車を運転すれば大きな事故を起こしてしまう可能性があり、万が一に備えて自動車保険を契約するでしょう。

大きな損害賠償請求があっても保険金で補填するためのものですが、事故をしても保険金がもらえるかもらえないか分からない頼りないものであれば意味が無く、危なくて車に乗れなくなってしまいます。

公的年金は安心して長生きをするためのものですが、現状は安心して長生き出来なくなってしまいました。

個人で長生きリスクに備える限界

100歳以上が他人事ではなくなった時代、100歳までの老後資金を貯める計算は以下となります。
  • 70歳まで働く場合:約50年間働いて、30年分の老後資金を貯める
  • 60歳まで働く場合:約40年間働いて、40年分の老後資金を貯める
  • 50歳まで働く場合:約30年間働いて、50年分の老後資金を貯める
これを見ると、アーリーリタイアなど出来ないように思えています。

60歳まで働く場合でも働いた期間と同じだけ老後生活をすることとなり、47歳となれば働いた期間のほぼ倍の期間の老後生活をすることになります。

100歳を前提として貯金だけで老後資金を計算すれば、かなりハードルが高くなってしまいます。



年金制度本来の機能

車に乗れば大きな事故を起こす可能性があるからといって、想定される最大の損害賠償額を貯めてから車に乗る人はいないと思います。

自動車保険の契約をしておけば良い訳で、みんなが無理なく車に乗ることが出来ます。

1年間に発生する事故の件数は予測が出来るので、自動車保険としてみんなで保険料を出し合い予想件数分の損害賠償額をプールしておけば、みんなが安心して車に乗ることができます。

年金制度も同様で、全員ではなく必ず一定の割合の人が100歳となるため、みんなで老後資金を出し合って、みんなが安心して老後を迎えることが出来るようにするものです。

長寿化により年金制度のベースとなる計算式に違いが生じて頼りにならなくなり、個人単位で想定される最大の費用を準備しなくてはならなくなってしまいました。

平均寿命で計算する危うさ

100歳をベースに老後資金を計算すると大きくなりすぎるため、平均寿命で計算する方法があるようですが、「平均寿命よりも長生きする人生100歳時代」にも記載の通り、それでは半数以上の人は準備した老後資金を使い果たした後も生活を続けることになってしまいます。

一方で、無理をして100歳までの老後資金を貯めた場合でも平均寿命で死んでしまえば、20年分近くの生活費が余ることとなり、無理して貯める必要は無かった・・・ということになります。

頼りない年金制度の不安はこのような不幸を生じさせるものだと思います。

アーリーリタイアに関しては

きっちり定年まで働いて老後は公的年金による収入で生活するという、所謂、既定路線を目指す人にとっては、年金制度の不安は直撃をしてしまいます。

既定路線から外れ、それほど公的年金を当てにしないアーリーリタイアに関しては、影響は小さくなるものと考えています。

当然、長生きリスクはアーリーリタイアにも関係があり、退職するまでに厚生年金保険料を支払っていますが、そもそも既定路線から外れて自立して生活していくのがアーリーリタイアだと思います。

その意味では、手厚いはずであった厚生年金の被保険者であるサラリーマンは、自営業者などの国民年金の被保険者よりも影響が大きくなるように思えます。

年金問題による不幸は、サラリーマンが最も被るものかもしれません。

自己紹介

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金融系に勤めるサラリーマンでしたが、早期割増退職金の制度を使って、45歳になった2018年10月末に会社を退職しました。 このブログは退職の1年前から記載を始め、アーリーリタイアを目指すサラリーマンの心境と、アーリーリタイア生活開始後の心境を記載するものです。 家族構成は子供なし、嫁と2人の生活です。
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