あきらめが悪くて泥沼化すること

2020年6月14日日曜日

時事ニュース

三菱重工が作っている国産旅客機ですが、1機も引き渡しが出来ていないのに開発人員を半減させ、海外の拠点の閉鎖を検討するとのこと。

Ranpaは飛行機に興味があり、開発状況等に関する報告会に参加したこともあるので非常に残念に思えます。

初号機は2013年に引き渡しをする予定であったのですが、現時点でもいつになるのか分からない状況にあり、通常であれば失敗していると見てしまいます。

三菱重工は直近の決算においても航空機事業が足を引っ張って20年ぶりに赤字となり、株主は我慢できないレベルになっていると思います。

ゴールが見えているのなら良いのですが、そうでなければ、あきらめが悪くて泥沼化する典型になってしまいそうです。

実現可能なこととそうではないこと

戦前、国内には多くの航空機メーカーがあったのですが、今の旅客機は海外メーカーのものを使っています。

日本のメーカーの旅客機が世界の空を飛ぶというのは、やはり飛行機好きの人間からすると大きな夢です。

しかし、夢を追い求めれば必ず良い結果になる訳でもなく、ふとギリシャの哲学者であるエピクテトスの考え方を思い出しました。

色々な出来事は「権内」にあるものと「権外」にあるものとに分けることが出来ます。

「権内」にあるものは自分でコントロールが出来るもので、「権外」にあるものは自分ではコントロールが出来ないものです。

しかし「権内」と「権外」の区別がされていないので、「権外」のものまでコントロールしようとしてしまいます。

この区別をして、本質的にコントロール不可能なものまでコントロールしようと深みにはまらないようにすれば、自由と幸福を得ることが出来ると考えます。


いままでそうしてきたから

三菱重工の累計開発費は1兆円を超える規模にまで膨れているようです。

事業化は10年以上前で、担当者も変わり、現担当者はいままで開発を続けてきたことで簡単には止められないという状況にあることは分かります。

止める判断をするのは経営者であって、現場のサラリーマンにとっては、止めるよりも、どうすれば上手くいくのか考えるべき・・・という雰囲気にあるはずでしょう。

Ranpaもそうでしたが、経営者以外のサラリーマンには撤退を判断する仕事は少なく、「権内」であろうと「権外」であろうと、最善の結果となるように頑張ることが殆どではないでしょうか。

とりあえず頑張るという感覚は、アーリーリタイアを目指す人が少ない原因にもなっているように思えます。

結論を先送りして最善をつくす

アーリーリタイアを決断するには勇気が必要で、サラリーマンの安定した生活を辞めるにはあきらめや割り切りが必要です。

会社を辞めてアーリーリタイアするには潔さがなければ出来ないのでしょう。

エピクテトスの言う通り、自分が出来ることと出来ないことを整理して、自分が出来る範囲をしっかりすることが幸せとなるはずです。

しかしサラリーマンは、我慢して頑張ることで目標を達成させる・・・という考え方に慣れています。

「権内」と「権外」の区別をせず、計算することなく、ただ前向きに頑張ることに慣れてしまえば、会社を辞めてアーリーリタイアする決断が出来なくなるように思えるのです。

三菱重工の航空機事業は今後どうなっていくのでしょうか。

自己紹介

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金融系に勤めるサラリーマンでしたが、早期割増退職金の制度を使って、45歳になった2018年10月末に会社を退職しました。 このブログは退職の1年前から記載を始め、アーリーリタイアを目指すサラリーマンの心境と、アーリーリタイア生活開始後の心境を記載するものです。 家族構成は子供なし、嫁と2人の生活です。
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