配当や利息だけで生活することや、資産の取り崩しだけで生活する方法もありますが、それぞれメリデメがあります。
その辺りについて考えていることを記載します。
配当生活・利息生活の場合
いくらあれば大丈夫かについては、リタイア後の生活費によるところですが、Ranpaは月に20万円を想定しています。月に20万円の想定となった経緯は以下のようなものです。
「退職後の生活費を試算してみた」
「家計調査による退職後の生活費はいくら? アーリーリタイアは?」
「知らないと損かも!失業すると減額や免除できる社会保険料など」
月に20万円であれば年間250万円程度と想定し、必要な資産を逆算すると・・・。
- 税引後利回り1.2%の社債のみ:2億833万円
- 税引後利回り4.0%のリートのみ:6,250万円
- 税引後利回り7.0%のソーシャルレンディング:3,571万円
リートについては、「リタイアに向けたREITの資産状況 2018/6/30」に記載したような利回り高めのリートで税引後4.0%程度になり、現実的な範囲でしょうか。
ソーシャルレンディングであれば、さらにハードルは下がります。しかし、まさに今、「激震、ソーシャルレンディング」に記載した、その界隈で問題になっているようなリスクがありますね。
結論としては、リタイア後に安全・安定を求めるのであれば、利息や配当だけで生活するのは避けたいところです。特に、利回り高めで見積もれば・・・。
グロソブのブームの頃
アーリーリタイアを考え始めた30代前半の頃、グローバルソブリンというファンドのブームがあり、基準価格は8,000円程度で安定、利回りは8%程度あったと思います。グローバルソブリンは一世を風靡し、6兆円近くの資産規模となって、グロソブの動向が市場に影響を与えると言われていました。
当時からアーリーリタイアの計画をしていましたので、グローバルソブリンに4,000万投資すればリタイアできると考えたことがあります。
しかし、今では利回り2%台、基準価格5,000円を切る状態となり、結果として資産生活どころか資産減少になっている状況です。
資産取り崩しの場合
資産取り崩しを計算する時に難しいことは、「長生きリスクを考慮した老後の必要資金について考える」に記載したように、何歳まで生存するか分からないことです。
対応策としては、「トンチン年金はアーリーリタイアのリスクヘッジができるか?」に記載したような方法はありますが、それほど効果的なものはありません。
90歳まで生存する場合、45歳から45年間の生活資金確保が必要です。
- 年間250万円×45年の単純計算:1億1,250万
実際のところは・・
保険会社は、保険料を受取り、将来に支払うべき保険金を積立します。
せっかく集めた資産を、そのまま将来の支払時まで寝かせておくのではなく、安全な運用をして収益を出すとともに、保険料の計算に運用益を加味させます。
個人の資産も同様に、せっかく蓄積した資産を寝かせておくものではなく、安全な運用をすれば、将来に生活費として取崩すことができる金額を大きくすることができます。
つまり、取り崩しが「主」であって、運用は「副」の扱いということです。
将来必要となる金額を資産として積み上げ、その資産を取崩すことがベースになりますが、せっかくの資産なので安全な運用をするというものです。
一見、リスクの高いものに投資すれば、運用益だけで生活できるように考えてしまいますが、非常にリスクの高い危険な選択となってしまいます。
「失敗するアーリーリタイア」に記載のとおり、元本の毀損はアーリーリタイアの失敗となるため、運用と資産の取り崩しのバランスが大切であろうと思います。