既にRanpaは格安スマホを使っているため、楽天の参入により多少料金が安くなってもあまり影響は無いのですが、この分野で新しいことをするのは相当に難しいことなので、楽天にそれが出来るのか興味を持っていました。
また格安携帯が出て何年も経ちましたが、あまり普及しない日本市場に対し、どのように浸透させるのも気になるところです。
格安スマホとアーリーリタイアの類似点
以前「アーリーリタイアしない人の考え方、現状維持バイアスについて①」にも記載したのですが、格安スマホとアーリーリタイアには類似性があると感じます。大手キャリアのスマホを使っていて料金が高いと感じる人は多いのですが、解約して格安スマホに変更する人は少数派のようです。
ネットやテレビでも多くの広告をしているのですが、シェアとしては10%強とのことで、意外に少ないものです。
多少安くても、よく分からないものに手を出して失敗したくないと考える人や、手続きが面倒なので今のままで良いと考える人が多いのだと思います。
それらは現状維持バイアスで、変化を避けて現状を維持したくなる思考のようです。
アーリーリタイアも同様で、勤続年数の長い人は仕事に多少の不満があっても働き続ける方が良いと考える人が多くなり、アーリーリタイアする人は少数派です。
世の中には、本当は会社を辞めてリタイア生活が出来るのに、現状維持バイアスによってサラリーマンを続けている人は相当多いのだろうと思っています。
金融機関とアーリーリタイアの類似点
個人の金融分野についても現状維持バイアスによって変化が起きにくいものです。
金融と言っても幅は広いのですが、それぞれネット手続きが出来るようになっており、ネット専業の会社も存在します。
ネット手続きのシェアは伸びているのですが、ネット専業の会社によるシェアはそれほど高くありません。
金融分野においては難しいという気持ちがあるせいか、ネットよりも対面で相談しながら手続きをしたいという人が多くいます。
普段、ネット通販を利用するような人でも、来店して相談に来られるお客さんが多いことに驚きます。
金融商品は家族や友達と同じもので良い・・・というものでも無いため、自分で考えて判断する必要があり、来店して相談して後押しをしてもらいたいもののようです。
そんなこともあり、ネット専業の会社によるシェアが増加しないようです。
専門ではない分野に対し、自分で考えて判断し実行する人が少ないことは、未知のリタイア生活をスタートさせる人が少ないことに似ていると思えます。
アーリーリタイアをする人
アーリーリタイアをするためには働かなくても良いリタイア資産があることが前提となるのですが、あった場合でも現状維持バイアスによってリタイアしない人が多くいるように思えます。
アーリーリタイアを実行に移す人は、大手キャリアよりも格安スマホを使い、金融商品もネットで完結するような人で、現状維持バイアスを持たない人なのだろうと思えます。
会社に行きたくない・・・仕事をしたくない・・・という、面倒くさがりな人がアーリーリタイアをするイメージですが、実際には得意分野ではないスマホ料金の仕組みや金融商品を理解しようと努力するような人かもしれません。
楽天の携帯事業はリリースすることに苦しんでいるようですが、多くの人が持っている現状維持バイアスによって、安い料金を提示しても契約数が増加しにくいことが本当に大変なところのように見えてしまいます。
経済合理性は現状維持バイアスによって曲げられやすいものです。