この間も、以前担当していた取引先の銀行に、業務改善命令が出たというニュースを見ました。
業務改善命令として、収益力の改善を急ぎ、経営再建を着実に進めるよう求める・・というものですが、それが出来ないから業務改善命令になっているのでしょうけど・・・。
システム化される前は・・
製造業は製品を作って提供しますが、銀行などの金融業は製品がありません。
お金の貸し借りが商品となるので、在庫が要らない代りに、契約書面とそれに関わるエビデンス書面が多くなります。
書面による業務と、その書面を見るための従業員が必要になるということです。
今では、効率アップのためにリアルペーパーを見る業務から、スキャニングしたイメージ画像を見る業務になっていますが、紙はまだまだ残っています。
ペーパーレス化への動き
しかし、ペーパーレス化の動きも進んでいます。紙の業務では、紙を読んでデータ化することになりますが、最初からWeb入力されればデータ化する必要は無くなります。データの蓄積が進めば、AIによる作業範囲が広まっていくでしょう。
今までは、熟練社員が紙の情報を目で見て個別に処理をしてきましたが、ペーパーレスによるデータ化が進み、機械が自動的に処理できるようになってきました。
「10年後の日本と投資環境、なくなる仕事」に記載したような動きは進行中で、その過渡期にあると感じます。
体力のあるところと、無いところ
メガバンクなどの体力のあるところは、そのような自動化のためのシステム投資をすすめ、先行して競争力を高めています。システム投資は、人も、お金も、時間も必要とすることで、体力の無い会社は対応が遅れ、競争に勝てなくなっていくでしょう。
業務改善命令は、そのような将来を見越して発信されたものと考えます。
システム化すればするほど・・
システム化・自動化すると効率が高まりますが、システムへの依存度が高まると、法令変更や改元などによるインパクトが大きくなります。
昭和から平成に変わったころは、紙の仕事の比率が高かったので、それ程影響は大きく無かったと言われています。
しかし、今回システム依存度が高くなっているのでインパクトが全く違います。
「2019年のゴールデンウイークと元号問題」にも少し対応状況を記載しましたが、経済界からは難しいという声が多いと言われているようです。
金融機関で働く立場からすると
システム化により、金融機関は社員数が少なくなり、事務作業を中心とする社員から、システム構築を中心とする社員に移行していくと感じます。
毎年新卒を採用し、事務作業を覚えさせ、人による判断をするための要員を養成してきましたが、そのような人海戦術は不要となるのでしょう。
逆に、IT分野に詳しい社員が中心となり、働き方も変えていくことになるでしょう。
採用抑制はそのような動きを表したニュースで、金融機関で働く者はシステムに詳しい人でなければ要らない・・・という流れになっていくでしょう。
ただし、システム化とともに改元対応の難易度が高まっているということにもなりますが・・。
ただし、システム化とともに改元対応の難易度が高まっているということにもなりますが・・。
今まさに仕事では元号対応について検討中ですが、新元号の発表時期が未定で、ただ発表は直近になるという、何とも経済合理性を無視した対応に泣かされています。