一般的に、退職金はリタイア後の生活費となりますが、最大の運用資産にもなるものではないでしょうか。
金融機関でリスクコントロールを仕事としてきた視線で、その資産運用を考えてみます。
金融機関での運用
金融機関での資産運用は、所謂「投資」というイメージとは異なる感覚を持っています。
所謂「投資」とは、ソフトバンクがARMやsprintに投資したように、将来の拡大を見越して資金投入するイメージを持っています。
金融機関での資産運用は、AをしてBをしてCをすれば、1年後の資産は○○円になっているという決まった運用に近いものと理解しています。
「金融庁検査とは、金融機関として求められるもの」にも記載しましたが、不特定多数の顧客からお金を集めて運用することを認められた会社は、資産を毀損させてはいけないので、運用方法は決まった方法に限定されます。
対象資産の大小による違い
投資できる資産が小さければ、FXなどのレバレッジによる投資に限定されますが、退職金を含むリタイア資産の運用となれば、それなりのポートフォリオを組むことができます。
その意味では、金融機関の運用に近いことができるように思います。
普通の事業会社は営利活動をしており、利益を出すために役員・従業員は働きます。一部、事業に失敗した会社は赤字になりますが、全体を平均すると一定の利益が出ることになります。
投資とは、経済活動をする事業会社を通じて、資金的に事業参加することで、会社が営利活動により利益を出すことで、投資家に利益分配される仕組みです。
ある程度の資産を持ち、全体平均に近いレベルのポートフォリオを組むことができれば、ある程度一定となるリターンを得ることができます。
絶対に損しない運用との違い
退職資金は絶対に損させることはできない・・・そう考えれば運用先は、国債や1,000万円以下の定期預金になってしまいます。
「失敗しないリスク分散について、アーリーリタイアのために」に分散について記載しましたが、地雷を踏んで、分散投資したうちの1つが元本毀損をしても、他の収益で計画通りに着地できるのであれば退職資金であっても問題ないと考えています。
金融機関が行なう運用のように、事務的にはなってしまいますが、リスクを把握してコントロールできれば、元本毀損も想定範囲内となる可能性が高まります。
退職資産は減らしてはいけない資産であるので、国債や1,000万円以下の定期預金にしておけ・・・という意見には否定的です。
リスクコントロールが難しい
以下のような明確な条件があったとします。
- 投資利回りは10%
- デフォルト率は8%
この場合、リターンが10%あるので、想定通り貸し倒れが発生しても2%の利益となる、理論上の計算になります。
基本的な考え方ではこのようになりますが、このような数値どおりのコントロールは難しいのが実際のところです。
リスクコントロールをしているつもりでも、感覚的にリスク評価をして、感覚的に投資をしてしまうのが個人レベルでの投資です。
Ranpaとしては、個人レベルでは精緻なデータ分析ができない分、リスクは保守的に評価することで、この問題の大半は解決できると考えています。
運悪く地雷を踏んで全滅することを避け、想定するデフォルト率となるように、分散して運不運の波を平準化します。
運悪く地雷を踏んで全滅することを避け、想定するデフォルト率となるように、分散して運不運の波を平準化します。
かく言うRanpaもこれが実践できているか疑問ですが、自分への言い聞かせとして記載をしてみました。